交通事故の被害者がやるべきこと。遺族になったらどうすればいい?

もしも自分が、交通事故の被害者になってしまったら、もしくは交通事故によって、家族を亡くして遺族になってしまったらと考えるだけでもつらいことです。もしものときに備えて被害者・被害者遺族としての立ち回り方は知っておきたいところですよね。

ここでは、交通事故の被害者、被害者遺族になってしまった場合の対応についてご紹介します。

→交通事故の被害者になった場合、示談しないという選択肢はあるのか

交通事故の被害者になったときの流れ

交通事故が発生した場合、被害者・加害者ともに警察からの取り調べを受けることになります。警察は取り調べで得た情報をもとに実況見分調書を作成し、刑事手続きを進めます。取り調べで聞かれるのは、交通事故が発生した際の状況やケガの度合いに関してです。

写真やドライブレコーダーなど証拠となるものがある場合、併せて提出します。取り調べ終了後は、聞き取り内容をまとめたものである供述調書の確認を求められます。内容に誤りがなければ署名・拇印をして終わりですが、事実との相違があった場合は署名・拇印を拒否しましょう。

一度署名・拇印をすると、供述調書の内容を変えることが難しくなるからです。ケガをした場合は、たとえ軽傷であっても必ず医師の診察を受けましょう。当初は軽いケガと思っていても、数日後に重症化するケースも考えられるからです。

特に頭を強く打った場合は、後になって重い症状が出る可能性も考えられるので充分に注意しましょう。

被害者が確認しておくべきこと

交通事故の被害者になってしまった場合、賠償請求をスムーズに行うため加害者の情報はしっかり確認しておきましょう。相手の運転免許証や名刺を見て加害者の氏名や住所、勤務先などを把握し、加害者の車のナンバーも覚えておきましょう。

これらの情報をメモに残しておくと確実です。目撃者がいる場合は、目撃者の証言を聞いておいたり、後日証人になってくれるよう頼んでおいたりすると損害賠償の交渉などを有利に運べます。

交通事故の被害者遺族になったときの流れ

交通事故によって被害者が死亡してしまった場合、警察による聞き取りは遺族に対しても行われます。

遺族に対する聞き取りの場合、事故に遭った状況などを把握しきれないことも多いでしょう。事故の状況がわからないときは、被害者の生前の様子や家族を失った無念などありのままの感情を話しましょう。

刑事裁判になったとき、加害者の量刑を決定する参考になります。刑事裁判と並行して損害賠償の示談交渉が行われるケースもありますが、加害者の刑事罰が確定する前に示談を成立させるのは避けた方が無難です。示談が成立してしまうと、金銭的な被害弁償は行ったとみなされ、刑事罰の量刑が軽くなってしまうことがあります。

加害者に罪をしっかり償わせたい場合、示談の成立に関しては慎重に決めましょう。

被害者遺族がやるべきこと

被害者が死亡してしまった場合、遺族は葬儀の準備をする必要があります。しかし葬儀社を決めて連絡する前に、死亡診断書を受け取っておきましょう。死亡届の提出や死亡保険金の申請などに提出が必須となります。特に死亡届は被害者の死亡から7日以内に提出する必要があるため、早めに入手しておくべきです。

死亡診断書は、被害者の死亡を診断した医師から受け取れます。コピーを取り、各手続きの申請時のために保管しておきましょう。葬儀をしてくれる葬儀社を決めたら、葬儀社と打ち合わせをして葬儀の段取りを決めましょう。

段取りを決めるのと一緒に、死亡届や火葬許可証の手続きを葬儀社側で代行してくれる場合もあります。

葬儀が終わってからも忙しい

被害者の葬儀が終わった後も、遺族による各種手続きの申請が必要になります。たとえば被害者が世帯主であった場合は、世帯主の変更届を市町村役場に提出する必要があります。保険資格の喪失届や年金の受給手続きなども、死亡発覚から14日以内に申請します。

中には手続きの期限が定められていないものもありますが、遺族の今後の生活のために手続きは早めに実施しておきましょう。

示談交渉をする場合は

加害者側と示談交渉を円滑に進めるには、相続人を明確にするために被害者の戸籍謄本や遺言書が必要です。交通事故は突発的なものがほとんどであり遺言書が残されているケースは稀ですが、遺言書が存在する場合は相続人への遺産の分配割合が変動する可能性があるため、示談交渉に必要な書類であるといえます。

示談金額を少なくしたいために、被害者の過失割合が小さいことを示す証拠も必要です。被害者の過失割合が小さいことを証明するため、警察が作成した実況見分調書や目撃者の証言なども準備しておくといいでしょう。示談交渉は保険会社に代行してもらうこともできますが、おすすめはしません。

保険会社は示談金を安くしようとする傾向があり、被害に見合った示談金をもらえない可能性が高くなるからです。仮に保険会社に示談交渉を依頼するとしても、提示された金額を鵜呑みにせず、一度弁護士などに相談すると安心です。

一度示談が成立してしまうとやり直しがきかないことが多いため、慎重にことを進めましょう。

被害に遭ったときのことを考えて対策すべきこと

交通事故の被害者になることなど想像したくもないかと思いますが、もしものときに備えて準備をしておくのは無駄ではありません。車を運転する機会が多い場合は、ドライブレコーダーを装着しておくと加害者側の過失を証明しやすくなります。

損害賠償を請求する際も役立つため、車には必ずドライブレコーダーをつけておくようにしましょう。車を運転する人でもしない人でも、メモ帳と筆記用具を持ち歩いていると便利です。事故の状況や加害者の方法、警察や保険会社とのやりとりをメモしておくことで、必要な場面でのスムーズな情報の提示や情報の整理ができます。

メモ帳を持ち歩くのが面倒な人は、スマートフォンを利用するといいでしょう。ほとんどのスマートフォンにはメモ帳機能が搭載されているうえ、ボイスレコーダーによる音声の録音もできます。文字にするのが難しい状況であっても、録音であれば簡単に記録を残せます。

メモをとるときは、情報をありのままに記述するようにしましょう。有利か不利かで情報を取捨選択してしまうと、全体の流れがわかりづらくなってしまいます。また、一見すると自分に不利になるような情報でも、有益な情報が含まれている可能性は充分あります。

不利か有利かは考えず、正確な情報を記載するよう心がけましょう。